ディープ&ワイド

SRM450のホーンの設計のヒントになったのは、高出力スタジオモニターでした。高出力スタジオモニターには、エクスポーネンシャルのホーンが使われており、空気のインピーダンスをコンスタントに保つため、シルクのように軸にそって滑らかなレスポンスと低いディストーションが実現されておいました。現在多く使われている「定指向性」ホーンはディスパーションのコントロール性能は高いものの、歪みの原因となる反射波を発生させてしまうという欠点があります。

しかしながら、大型のスタジオモニターは軸以外でのパターンコントロールの精度は高くはありませんでした。

パターンコントロールとは、「幅広い周波数帯域での軸外での均質なレスポンス」と定義されます。多くのスピーカーは90°水平ディスパージョンを表記していますが、ポーラー・パターンを注意深く調べてみると、全ての周波数で90°水平ディスパージョンが実現されてはいないことをお気づきになるでしょう(左図)。現実的には、スピーカーシステム軸外に立っている時間の方が、立っていない時間より長いものです。高周波数でスピーカーがフラットではないレスポンス(パターンコントロールの精度が低い)を示す場合には、フルレンジのサウンドパターンは、ビームの投影のようになってしまいます。スピーカーの目の前に座っているリスナーにとっては良いかもしれませんが、それ以外のリスナーには曇った鈍い、不規則な音が届いてしまいます。

パターンコントロールの精度が悪ければ(グレーの部分)、周波数ごとに異なる不規則なディスパーションが起こってしまいます。1KHzをすぎるとビーム幅が非常に狭くなってしまいます。

世界トップクラスの音響技術者は、細かなディスパーションというホーンの特性を維持したままディストーションの問題を解決することに成功しました。数値計算の結果導かれたのは2つの羽根つきのホーンの形状と、独立のエクスポーネンシャル/円錐ホーンでした。ドライバー位相プラグを羽根の隣に設置することで、反射波の影響は最小限にとどめられます。

この設計により、幅広いホーン口が実現され、クロスオーバー・ポイントでのパワーレスポンスが最高に高められました。45°から軸外に至るまで、素晴らしいフルレンジのパフォーマンスをお楽しみいただけます。