大学では打楽器を専攻し、ドラムはもちろんマルチプレーヤーとして弦楽器もこなすプログラマー/アレンジャーとして活躍する毛利泰士氏は、1995年からプロデューサー、コンポーザー、アレンジャー、演奏者として、ポップスシーンで幅広く活躍する門倉聡氏のもとで、MIDIのプログラミングなどプロフェッショナルとしての技術を習得、1999年からはオフィスインテンツィオに所属しています。坂本龍一氏の大型オペラプロジェクト「LIFE」以降、坂本氏のサポートを行ってきました。また、2000年からは2005年までは、槇原敬之氏のレコーディングにも携わってきました。現在は引き続き坂本龍一氏のサポートを続けながら、さまざまなプロジェクトにプログラマーとして参加し、ベーシストとして活躍している自分自身のバンド「ラクライ」を含め、活動の幅をさらに広げています。
毛利氏は、MackieのOnyx 800Rを発売後まもなく導入、Pro Tools 192 I/OのAES入力にD-sub8chデジタルマルチケーブル1本で接続し、メインの編集ソフトウエアであるPro ToolsとLogic Pro 7用の録音デバイスとして使用しています。毛利氏の自宅スタジオは、Macintosh G5の中に楽器やエフェクターが満載されていて、ハードウエアのMIDI音源などがほとんどなく、とても進化した現代的なホームスタジオになっています。例えば、ソフトウエア·インストゥルメントではNative Instruments社の製品全般、中でもKONTAKT2を愛用し、Logic Pro 7に 標準で付属しているプラグインも多用しています。エフェクトプラグインでは、McDSP社のFilterBank, CompressorBank、audio ease社のAltiverbやLogic付属のSpace Designerといった空間系エフェクトも多用するツールです。このようなCPUやDSPを最大限に活用している音楽製作システムの中で、MackieのOnyx 800Rはどのように活躍しているのでしょうか?
「Onyx 800Rは主にアレンジの仕事で多用しています。 800Rでレコーディングするソースとしては、ボーカル、アコースティックギター、ドラムなどの生音の素材を取り込むための8chプリアンプとして、マルチに活躍しています。フロントパネルの7, 8chにDI端子が付いていたので、エレキギターやベースなどを直接つないで録音してみたのですが、このDIがすごくいい音なんです。しかも、エレキギターやベースが直接デジタル信号に変換されDAW上でトラックになるのは、とても便利ですね。このDI機能を使って録音された素材は、Pro ToolsやLogic上で、Amp Farmなどのアンプシュミレーターのプラグインを使って加工することが多いです。」と毛利氏はコメントしています。
Onyx 800Rのプリアンプの音質については、「とにかく素材がきれいに録れて、レンジも広い。48kHzで録音しても48kHzとは思えない高音の伸びなどは驚きです。楽器の素の音を取るには最適なプリアンプだと思います。変に誇張されている感じもありません。」と言っています。
「他にMackieの製品では、1202-VLZ Proも持っていて、外のスタジオではシンセサイザーの出力をまとめるのに使い、普段は自宅のボーカルブースのモニター用に常設しています。興味がある製品としては、Logic Pro 7の作業効率を上げるためにMackie Control Universalも使ってみたいと思っています。Big Knobはまさに私が必要としていた製品なのですが、発売まで待てずに、他のモニターセレクターを導入してしまいました(笑)。Mackieは最近デジタルレコーディング関連の新製品を多数発表しているので、注目しているメーカーの1つですよ。」
その後、Onyx 800Rの実力をレコーディングスタジオでも試してみるために、毛利氏とも親交の深いエンジニア飯尾芳史さんを訪ね、同じくPro Tools 192 I/O用のプリアンプ兼ADコンバーターとして使用し、今回はグランドピアノを素材にサウンドチェックを行いました。
「Onyx 800Rのデジタル出力のクオリティーには本当に驚きました。値段を聞いてさらにびっくりしましたね。レンジの広さ、奥行感ともに、レコーディングスタジオでは定番の大型のコンソールのプリアンプと比べても、その違いは歴然でした。やはり時間とともに技術も着実に進歩しているのですね。本当にこのプリアンプは繊細で、楽器そのものの音がモニターから聞こえる感じがします。今後ぜひ手に入れたい一台ですね。」と飯尾氏はコメントしています。
取材協力:
毛利泰士 氏、飯尾芳史 氏、モウリアートワークススタジオ
* 文中の製品名は各社の登録商標です。
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