ミキシングは、ご存知の通り、レベル調整、パン設定、EQ、エフェクトの追加、その他個々のサウンドやインストゥルメントを活用して、完璧なサウンドのソングを作りあげる芸術です。ほとんどのオーディオソフトウェアは、ミキシングを、従来のアナログミキサーのノブやフェーダーを反映した専用の「ミキサー」スクリーンによって行います。しかし、Tracktionには、専用のミキサースクリーンはありません。というよりも、必要なかったのです。Tracktionユーザーは、レコーディングプロセスを通して、実際にミキシングを行っているからです。これが、Tracktionの非常に賢いところです。ここでは、このTrackitionでのミキシングについて説明します。
フィルター
Tracktionでトラックを最初に作成すると、アレンジウィンドウの右に、ボリューム/パン・フィルターとレベルメーター・フィルターが自動的に生成されます。これらのフィルターは、パンやレベルの設定を、従来のミキサースクリーンでノブやフェーダーコントロールを使った方法とほぼ同じように調整することができます。しかし、これらの設定は、コピーしたりアレンジを変更したり、さらに、個々のオーディオクリップ、グループトラックなどにも適用することができるので、従来のミキサースクリーンよりも遥かに便利です。フィルターの種類は、レベルやパン設定にだけではありません。Tracktionの「フィルター」という用語は、すべてのエフェクト、付属しているプラグインやサードパーティーのプラグイン、バーチャル・インストゥルメント、またはその他ソングに適用するすべてのものの総称です。新しいフィルターは、簡単に作成することができ、また必要なくなれば削除することができます。
Tracktionに含まれる一般的なフィルターとしては、ボリューム/パン、レベルメーター、4-バンドEQ、Auxセンド、リターンフィルター、エフェクトフィルター、そして、サードパーティーのVSTプラグインやバーチャル・インストゥルメントフィルターなどがあります。
エフェクトプラグイン
Tracktion 3には、ダイナミクスからモジュレーション、リバーブに至るまで、フルセットのネイティブ・エフェクトプラグインが標準付属しています。同時に、市販されているサードパーティーのVSTやVSTiプラグインにも対応し、UltimateバンドルとProjectバンドルの両方で、非常に多くのプラグインのコレクションが標準付属しています。これらのプラグインは、トラック、グループトラック、個々のオーディオクリップ、オーディオクリップのグループに配置するフィルターとして使用することができます。これらをミックス全体に適用することもできます(例えば、ソング全体の音圧を適切に調整する、コンプレッサーのキラー・プラグインなど)。以下は、バンドル・パッケージに標準で付属しているプラグインのリストです。
ミックスオートメーション
ミックスオートメーションとは、わかりやすく言うと、ソングの様々なステージでミックス設定の記録やプレイバックを行うことができる機能です。これによって、例えば、コーラス部分のボーカルを普通のメロディ部分に比べて大きくミックスしたり、ドラムをソングの終わりで目立たせたりすることが簡単にできます。オートメーションは、例えばバーチャル・インストゥルメントのフィルター設定やリバーブのレベル変更など、より微妙な作業にも使用することができます。この種のオートメーションによって、ソングに命を吹き込む作業も、Tracktionでは、非常に簡単に行えます。
トラックから”A”マークをフィルターにドラッグ&ドロップするだけで、オートメーション化可能なパラメーターの一覧が表示されます。パラメーターを選択すると、それに対応したオートメーションカーブがトラック上に表示されます。カーブを変更するには、クリックすると点が表示されるので、好きなパラメーターを使って、思い通りにオートメーション化を行うことができます。または、Automation Recordをオンにして、Tracktionのプレイ中にフィルターを変更することもできます。行った操作は記録され、ミックスが完璧になるまで、さらに編集を重ねることができます。
ラックフィルター

ラックフィルターでは、複雑なインストゥルメントとエフェクトの組み合わせを簡単に作成することができます。ラックフィルターという名前は、エフェクト機器を設置するラックのように、フィルターを組み合わせてグループとして使用することができることからきています。ラックフィルターは、1つのトラックまたは複数のトラックに適用して同時にプロセッシングを行うことができます。ラックフィルターを使うことにより、従来のミキサーベースのオーディオソフトウェアでは作成不可能な、完全にユニークなエフェクトやインストゥルメントのコンビネーションを作成することができます。ラックフィルターでは、例えば、EQと2つの異なるコンプレッションとリバーブが接続された、女性ボーカルに最適なエフェクトのセットを予め組んでおけば、個々のプラグインをひとつずつ読み込む必要はなく、瞬時にこのセットを呼び出し可能です。
トラックフリージング
Tracktionは非常に楽しく使いやすいので、最新のコンピュータでさえも、すべてのアクションを実行できないほど多くのトラック、エフェクト、バーチャルエフェクトなどを作成してしまう可能性があります。そのため、Tracktionは、1つ、または複数のトラックと、それらに関係するすべてのオーディオファイル、エフェクト、インストゥルメントをまとめて、ハードディスク上の1つのファイルにレンダリングすることができるトラックフリーズ機能を搭載しています。これによって、コンピュータのCPUを節約し、さらにトラックを追加するなど、他の重要なタスク用に余裕を持たせることができます。
コントロールサーフェス対応
Tracktion 3は、とてもポピュラーなMackie Control Universal/Extender Pro とMackie Control C4 Proコントローラーに対応し、プラグインやバーチャル・インストゥルメントを含む、レコーディングやミキシングのパラメーターをフルレンジでサポートし、完全なハンズオン・コントロールを実現します。また、Frontier Design Transport™やNovation ReMOTE LEなどを含む、幅広くサードパーティー製のコントロールサーフェスにも対応しています。
Tracktionはもともと、非常に直感的で簡単なので、物理的なノブやフェーダーだけが実現できる生産性の向上を享受することができます。そしてなりより、これらのサーフェスにより、デスクトップが格好良く見えることも重要なポイントです。